麹(こうじ)・・・!?
昔から日本酒造りでは、 一麹(こうじ)、
二酛(もと)三造り(つくり)といわれてい
る。一麹とは、蒸した米を、日本酒の元とな
る麹にする工程で、「制麹(せいぎく)」と
呼ばれており、蒸し米に麹菌(カビ)を付着
させ、米の中で繁殖させる作業。麹室(こう
じむろ)と呼ばれる高温の環境下の作業部屋
で、およそ2日間を費やす。
酛(酒母)・・・!?
二酛は、酒母(しゅぼ)でアルコール発酵を
促す酵母を大量に増殖させたもの。麹と水を
混ぜ合わせたものに、酵母と乳酸菌、さらに
蒸米を加える。一般的には、2週間から1ヶ
月で酒母が完成する。酵母は、糖分をアルコ
ールと炭酸ガスに変えるアルコール発酵をす
る微生物。酵母を大量に培養しないと日本酒
はできない。
乳酸菌・・・!?
酒母には酒造り初期に雑菌の繁殖を抑える事
のできる多量の乳酸菌が必要。この乳酸菌を
得る方法には、生酛系(自然界の乳酸菌を取
り込む)と速醸系(人工で液体状の乳酸菌)
がある。さらに生酛系は酒母を仕込む桶の中
で蒸米をすりつぶし糖化を促す山卸(やまお
ろし)と山卸(酛摺り)をしない山廃に区分
される。
三段仕込み・・・!?
「醪(もろみ)」の原料となる「酒母」は6
%程度の量しかなく、大量の米や水と混ぜ合
わせると酸性が一気に薄まり、微生物が繁殖
しやすい環境となってしまう。酵母を他の微
生物から守るために、「蒸米」「麹」「水」
「酒母」は、通常4日間で3回に分けて行わ
れ、三段仕込みと呼ばれる。15℃前後に保
たれた醪は14~20日で熟成醪となる。