石の性質を知り、巧みに加工し、道具として使いこなす・・・知識と知恵
石錐(せきすい)
獣の皮や樹皮などに穴を開ける工具で、原石(母岩
)を打ち欠いてつくった薄いかけらで製作した剥片
(はくへん)石器の一種。
材料は黒曜石や粘板岩、頁岩が多い。黒曜石は、黒
色、灰色、褐色で、シリカ成分の多い流紋岩質のマ
グマが地表に噴出して、急冷してできた岩石(ガラ
ス質流紋岩)、火山岩の一種。透明感があって、割
ると鋭い破片ができる。
石鏃(せきぞく)
石を材料として作られた矢じり。矢の先端に紐など
で固定させて用いる。底辺(基辺)の形状が直線に
なっているものを平基、くぼむものを凹基、突出す
るものを凸基の3種に分け、茎(なかご)と呼ばれ
る矢じりを柄にさすところの部分の有無で分けると
平基(無茎)式、凹基(無茎)式、凸基無茎式、凸
基有茎式の4形式に分類することができる。
石匙(いしさじ)
動物の皮や肉、角や骨など動物質の加工や、木やつ
たなど植物質の加工など、万能ナイフとして用いら
れていた。黒曜石(石錐で詳細)、海底に堆積した
泥が泥岩となり、さらにその上に重なる地層の荷重
などの圧縮を受けて形成された頁岩(けつがん)、
石英質の殻を持つプランクトンの殻が遠洋の海底に
降り積もり、長い年月をかけて岩石となった硬くて
透明感のあるチャートなどで作られている。
石斧(せきふ)
打製石斧と磨製石斧がある。石の破片を粗く打ち欠
いてつくる。縄文中期の打製石斧は、竪穴住居の柱
穴、ヤマイモなどの根菜類を掘るときなど、主に土
掘り具として使われた。安山岩や流紋岩などの石を
使っている。磨製石斧は、大型のものは木の伐採、
小型のものは木に穴をあけたりした。蛇紋岩(じゃ
もんがん)や硬質の砂岩を使ったものが多い。