徒然草を再読し、人生を振り返る!?
家具によって人柄
家具によって、その家の主人公の人柄、教養
が察せられる。なにもよい品を持てというの
ではない。過度の実用性、過度の新奇さを避
け、古雅で、簡素で、実用性のあるものを持
てということである。ゴテゴテとこった好み
をこらした「今様のきらきらしさ」の反対を
提唱。(第八十一段)
高名の木登り
木登りの名人が、高い木の梢を切って降りて
くる人に対して、たいそう高くて危うく見え
た間は何も言わず、軒くらいの高さまで降り
てきたとき、「注意しろ!」と声をかけた。
人間の過失を生じる理由は、その危険さにあ
るのではなく、心の緩みにあるという心理を
ついた、有名な話!?(第百九段)
動物保護
馬・牛・犬は人間の生活に必要だから、飼育
するのは仕方ないが、その他の鳥獣を飼うこ
とは無用である。檻(おり)や籠(かご)を
用いて、鳥獣を飼い楽しむのは、残虐の行為
である。江戸時代に徒然草の注釈書が将軍綱
吉に献上されおり、「生類憐れみの令」への
影響が推測される。(第百二十一段)
終活
死後に財産を残すことは好ましくない。つま
らぬ品々が残っていればみっともないし、価
値あるものならば、死後相続争いが起こるか
ら、自分が生きているうちに譲っておくべき
である。日常生活の必需品以外は持たないの
がよい。現代でもあちらこちらで、よく取り
上げられる「終活」か?!(第百四十段)