災害の記録・・・!?
大火
安元三年(1177年)、風が激しい夜、都
の東南から火が出て、朱雀門・大極殿・大学寮
など一夜で灰になり、焼失は都の三分の一に
も達した。命からがら逃げた者も、家財道具
を持ち出す余裕などない。こんな危ない都の
中に家を建て、財産をつぎ込み、心労を重ね
て苦労するとは愚の骨頂だ!!
竜巻
治承四年(1180年)、中御門京極あたり
から大きな竜巻が起こって、六条の辺りまで
吹いた。大きな家も小さな家も壊れ、屋根板
は冬の枯れ葉のように舞い、家の中の家財道
具も吹き飛ばされ、空へ吹き上げられた。た
だ事ではない。何かの警告やお告げではなか
ろうか、などと考えさせられたものだ。
飢饉
養和年間(1181年頃)、雨が降らなかっ
たり、台風、水害などで稲や麦など五穀が実
らず、飢饉が続いた。食べられない金よりも
アワなどの食料の方が高くつき、鴨川の河原
は、死体がいっぱいで馬や車が通れない。夫
婦でも、相手を思いやり食料を相手に譲るか
ら、愛情がより深い方が先に死ぬ!?
地震
元暦二年(1185年)、ものすごい大地震
があった。山が崩れて川を埋め、海は傾き、
陸地を浸水させた。しばらくの間、余震が続
いた。地震の当初は、人々はみんなこの世の
虚しさを口にして、少しは心の濁りも薄くな
ったかと見えたが、月日が過ぎ、年数が経つ
と、もう誰も何も言わなくなる。今も同じ!